小麦と大麦の違いは?それぞれの種類や栄養素などを徹底解説

パンや麺類の原料としてよく知られている「小麦」ですが、名前のよく似た「大麦」との違いをご存知でしょうか?そこで本記事では、小麦と大麦の違いについて分かりやすく解説します。栄養素や効能についても併せてお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
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大麦と小麦の見た目の違い
大麦と小麦の穂は見た目がよく似ていますが、大麦の方が小麦よりも幅が広めで長さが短いという特徴があります。小麦の方が細長く、ひょろりとした印象です。また、麦から出ているヒゲ状の突起を「芒(のぎ)」と呼びますが、芒が長くて、天に向かって穂より高く突き出ているものが大麦、不揃いで短いものが小麦という見分け方もできます。
大麦の基礎知識
大麦はイネ科の植物で、太くて円柱形をした帆を実らせる麦のことです。ご飯に混ぜ込んだり挽いてパンの原料にしたりなど食用として用いられるほか、味噌や醤油、ビールなどの原料としても使用されています。また茎の部分は、麦わら帽子などをはじめとする細工物の原料にもなり、捨てるところが少ない植物です。
小麦の基礎知識
小麦は、大麦同様イネ科の植物で、世界三代穀物の1つに数えられています。タンパク質の含有量や粒度、性質などによって、強力小麦粉、中力小麦粉、薄力小麦粉の3種類に分類されるのが一般的です。プロが使用する業務用となると、さらに細分化されて製品の数は100種類ほどにも上ります。小麦粉は、パンや麺、ピザ生地、揚げ物の衣など幅広い料理に使用されており、私たちの食卓に馴染み深い食材です。
大麦の栄養素と効能
ここからは、大麦に含まれる栄養素と効能をご紹介します。
炭水化物
大麦や小麦に含まれる栄養素の中で、最も大きい割合を占めるのが炭水化物です。炭水化物は、脳の働きを活性化するためには欠かせない栄養素で、不足すると能力低下やエネルギー不足に陥ります。特に1日の始まりに食べる朝食では、炭水化物をしっかり摂取しましょう。
食物繊維
大麦に含まれる食物繊維量は白米の17倍とも言われており、便秘解消効果やダイエット効果、糖質コントロール効果などが期待できます。特に多いのが、βグルカンと呼ばれる水溶性食物繊維で、動脈硬化や肥満、糖尿病などの生活習慣病を優位に予防することができます。
カルシウム
大麦には、カルシウムが豊富に含まれているため、丈夫な骨や歯を作りたい方や安定した精神を手に入れたい方は、積極的に摂取しましょう。
カリウム
大麦は、白米のおよそ2倍ものカリウムが含まれています。カリウムには、過剰な塩分の排出を助ける働きがあるため、むくみ予防や血圧の上昇抑制に効果的です。現代の食生活は、塩分を多く摂取しがちなので、健康維持のためにもスムーズに塩分を排出しなければなりません。大麦を積極的に食べることで、自然にカリウムを摂取することができるでしょう。
小麦の栄養素と効能
小麦の栄養素は、大麦の栄養素と重複しているものありますが、ここでは、特に小麦に特徴的な栄養素についてお伝えします。
鉄
小麦ブランとも呼ばれる小麦の表皮には、鉄も多く含まれています。鉄は、人体を維持するのに必要なミネラルの1つであり、血液中に溶け込んで、全身に酸素を供給する働きがあります。また、赤血球の材料となり、めまいや頭痛、動悸、疲労感を予防することができるため、鉄不足の方は小麦の皮ごと摂取しましょう。
ビタミンB1やB6
小麦は、疲労回復のビタミンとも呼ばれているビタミンB1や、酵素の働きを助けて脂質やタンパク質の代謝を促すビタミンB6を豊富に含んでいます。ビタミンB群には、皮膚や歯、爪、粘膜などを生成する作用や、神経伝達物質を合成する作用など、他にもさまざまな効能が認められており、健康でいきいきした生活を送るためには欠かせない栄養素です。
ナイアシン
ナイアシンとは、水溶性ビタミンB群の一種で、糖質やタンパク質、脂質をスムーズに代謝するのに役立ちます。また幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、ナイアシンの原料と同じトリプトファンと呼ばれる必須アミノ酸から作られています。
ナイアシンが不足すると、トリプトファンが優先的に使われてしまうため、セロトニンが作られなくなってしまうのです。心の健康を維持するためにも、食品からナイアシンを十分に摂取することが大切だと言えます。
大麦と小麦の違いと栄養素を正しく知ろう!
本日は、大麦と小麦の違いや、栄養素について解説しました。大麦にも小麦にも、それぞれ大切な栄養素が豊富に含まれています。本記事の内容をぜひ参考にしていただき、栄養バランスのとれた食生活を送るためにお役立てください。